エッセイ– category –
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人生の四季と森田療法(3)
【】 しかし私たちを苦しめるのは、神経症の悩みばかりではありません。それぞれの人にはそれぞれの境遇があり、現実的な制限や壁があります。どうにも変えることのできない障害もあります。たとえ欲望に目覚めても現実の壁の前で立ちすくんでしまうことも... -
人生の四季と森田療法(2)
【】 それでは、森田療法を受けた神経質者はどのように変わっていったのでしょう? 具体的な例を見てみましょう。 「根岸症例」という森田博士自慢の治癒例があります。これは、「神経衰弱と強迫観念の根治法」や、その他何冊もの本に取り上げられている... -
人生の四季と森田療法(1)
人が生まれてから老いてゆくまでの道程は、四季の移り変わりにたとえられることがあります。 春はもちろん芽生えの季節、物事が始まり生い立つ季節です。私たちの人生で言えば、誕生から驚異的なスピードで人間らしくなっていく時期。思春期までの季節と言... -
理解と感じ(竹林公認心理師)
観念のやりくり 悩んだり、強迫観念にとらわれて苦しんでいる時などによくあることですが、私たちはどうも頭の中で結論を出そうとしてしまいがちです。「なぜ自分はこんなに追い詰められて苦しいのだろう」と考えて、原因や対策を探し続けてしまう。そのグ... -
森田療法における「流れ」と「調和」 (下)
「動き」に焦点を合わせた治療 このように森田療法は「動き」に焦点を合わせているが、その治療方法もまた精神の動きに重点を置いたものとなる。 本療法の着眼点は、まず第一にその複雑な精神の葛藤を去って、これを単純な苦痛または恐怖に還元するという... -
森田療法における「流れ」と「調和」 (上)
森田療法は人間の全体を扱う 森田療法は、曼荼羅にたとえられるかもしれない。 曼荼羅は様々な神仏を網羅し、悟りへの体験を視覚化して描かれたものだという。それはひとつの小宇宙になっている。森田療法も一人の人間を、あたかも曼荼羅のように、小宇宙... -
小さなダイヤを受け取る
物事を悲観的な方向にだけとらえる人たちがいます。何が起こっても、それが不安や苦しみのタネになる。そういう考え方のクセは、長期的に続く気分の不調になり、何事にも消極的な姿勢になり、結局生きていても、毎日がどんよりと曇っている状態になってし... -
「初一念」および 「純な心」について(下)
【二念、三念にひそむ「かくあるべし」】 森田正馬は「純な心」を「素直な心」、「自然な人情」と言い換えています。別に特殊な心でも美しい心でもなく、誰にでもある不安や悲しみ、恥ずかしさ、怒り。ただそれだけのことです。そして前述しましたように、... -
「初一念」および 「純な心」について(上)
今回は森田療法の「純な心」について、毎日の実践のご参考になるよう、わかりやすく書いてみたいと思います。 【】 最初にひとつお断りしておきたいのは、私はよく「純な心」を森田療法の重要なポイントとして取りあげますが、それを「森田療法の行動の... -
自欺と自覚(3)
【】 マニュアル森田の危険性 森田療法というのは、ごく微妙な人間の感情の動きを語っている考え方ですから、ことばで表現するのがとてもむずかしい。 だから、森田正馬はよく具体例を使って説明しています。 この森田療法を自学するときに一番気を...
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